A Aと出会って(寄稿)

この秋、飲まないで生きている年数(AAではバースデーと呼んでいます)が

23年を迎えたT子さんが体験談を寄せてくれました。

私がはじめてこちらの仲間と出会ったのは、

T子さんが一年のバースデーを迎えたばかりの頃でした(ちなみに私はお酒をやめたてホヤホヤ)。

T子さんは、これからステップ4、5に取り組むと話していて、

アルコールから解放され、いよいよシラフで現実と向き合っていく辛そうな時期で

表情も険しかった覚えがあります。

華やかな外見によらず

地道にプログラムをコツコツ歩いていくタイプで、

数年ののちには仕事も家庭も充実させ、

今ではAA内でも説得力のある笑顔の素敵なオールドタイマーとして活躍中です。



T子さんの体験記

「AAと出会って・・・


先月AAホームグループで23年のバースデーを祝っていただきました。

平成6年の10月下旬3ヶ月の入院が終わり、OneDayメダルを戴いてから23年経ちました。

最初の10年、次の10年、そしてここ最近の3年間、いろいろなことがありました。


最初の10年は女性の多いグループで、「行動する」という基礎を学ばせていただいたと思います。

来る日も来る日も、家庭→仕事→AA→家庭の繰り返しの日々でした。


次の10年は仲間とふたりでグループを始めることからの歩みでした。

なかなか会場が見つからなくて不安になったとき、

私たちがグループを始めることが神様の計画の中にあるのなら、

必ず必要なものは与えて頂けると信じて行動しました。

そして私たちが望んだ地域で、望んだ日からグループをスタートすることができました。


しかしグループがスタートしてから2年を過ぎたころ、

ホームグループのミーティングに嫌で嫌で仕方がない時期がありました。

当時は自宅から自転車で行っていましたが

「また日曜日がきちゃった。行きたくないなー」と思いながら自転車をこいでいました。

数か月嫌嫌ミーティングに行っていたある日、

ふと、「神様にいただいた命なのだから、神様にお返しする気持ちで行こう」と思えたのです。

とても不思議でした。

この日以来一度もミーティングに行きたくないと思ったことはありません。

おかげさまでホームグループは、毎週たくさんの仲間が集ってミーティングを行っています。


ここ最近の3年間はあるサービスを通して、改めて「原点に立った」ような気持ちになりました。

いただいたものを、どれだけお返ししていくか。

川が流れるようにこれは途絶えることはなく、

流れ続けるからこそ川の水は淀まないのだと感じています。

このサービスを与えていただいたのも、神様の計画だったと思います。


AAに出会うまでの私は、まったく信仰心などありませんでした。

AAと出会ってから与えていただいた一番大きなもの、それは信仰心です。

私にとっていいこともそうでないことも、全部必要なことだから与えていただいたと思えます。

なのでこれから先のことも、あまり深刻には考えません。

神様の計画の中にあると思えるので、

私は日々(なるべく手を抜かないで)最善を尽くして生きようと思います。


AAと出会うことができて、感謝です。


親愛なる仲間へ」

T子


ブログ紹介

『カオルとぼくと仲間たち』


実は、偶然、インターネットでみつけたブログでした。

もちろん面識もない仲間なのですが、

記事を読むと A Aプログラムが

住んでいる地域は違っていても

同じように伝えられていることを感じさせてもらいました。

世代が近いようで、カルチャー記事も共感です。

http://powerless.cocolog-nifty.com/

回復のプログラムにつながるまで

はじめてAAのゼネラルサービスオフィス(JSO)に電話をかけた時は、

まったく通う気もなかったAAミーティングだったが、

本当に、自分の意志とか力ではお酒をやめられない!

ということを認めると、行く気になれた。


1995年の9月のある日。渋谷にあるAAグループでワンデイのメダルをもらった。

この日が私の、飲まないで生きる第1日目になった。


不思議なことに


当時、印刷の版下の会社で働いていた。

書店で見かけるような雑誌の版下の制作もしていた。と、いうことは常に締め切りに追われる業種だったということだ。こういう業界に9時から5時までという概念はない。

ただ、私のいる部署では、交代で週に一回は定時に帰れる日を設けていたことや

ワンデイのメダルをもらってから、

数週間、どういうわけか会社全体の業務が減って、毎日定時で帰れる日が続いた。

私は5年ほどその会社にいたが、そんな状態になったのは、この時だけだった。

その間、私は仕事が終わるとせっせとミーティングに通った。

都内に暮らしていたことも幸いした。ミーティング会場は毎晩開かれていた。

AAには特に親しい人もいないし、

失礼ながら、年配男性の多い(当時)会場に私の好みの人がいたわけでもないが、

ミーティング会場でメンバーたちの話を聞いているだけで、どういうわけかホッとした。

帰り道も一人だったが、元気が湧いて家に帰っていけた。


飲んでいた頃は、太極拳教室に通ったり、それこそ宗教団体の道場にまで通ったが、

お酒は止まらなかったし、結局、つまらなくなって辞めていた。

太極拳やそこの宗教団体が悪いわけではなく、

もともと人づきあいが苦手な私の性格や、

結局のところ、それよりは飲んでいたい、という方向にいってしまうからだった。

そこそこ友達つきあいは残っていても

休日には真面目なイスラムの人をキリスト教会に連れて行った帰りに

缶ビールをジュース代わりに昼から飲んで、ラブホテルに行ったりした。

口を聞かない同棲相手へのあてつけなのか片想いの人のそばにいるためなのか

人知れずもうメチャメチャだった。


AAに通うようになってから、

〝アラコックさん、なんだかコワイよ〟と言っていた上司や同僚が

〝最近、顔色がいいよ〟

〝いいこと、あったの?〟

と声をかけてくれるようになった。

あきらかにそれまでとは違う変化が起こっていることが実感できた。


だが、しばらくすると、会社の仕事量は増えていき

会社はまた不夜城となっていった。

せっかく、やる気になったのに、

AAミーティングに通える日は限られてしまう状態になってしまった。


だが、それまでの数週間の間に

お酒をやめ続けていくためには、何が必要か、

メンバーたちの話から答えをもらっていた。

「ホームグループ」「スポンサーシップ」「12のステップ」。


あの時、一ヶ月ほど酒をやめられているからと

何もせずに忙しい毎日に戻っていってしまったら

再びお酒に手を伸ばす日も近かっただろう。


ここらへんの話は長くなりそうなので

この項、つづく。