借金③

はじめて借りた額は1万円。

思ったより怖くもなく、簡単なものだった。


そのうち、リボルディング払いを知る。


すぐ返せる

節約しよう

頑張ろう・・・


カードが1枚から2枚になった。


失業した。


カードを3枚に増やして50万円借りた。

わりとすぐ次の務め先はみつかったけれど

このあたりから、グチャグチャになっていった。



借金②

今はATMもクーラーが効いているが、

私が借金の返済をしていた頃、

カード会社のATMがあるスペースはクーラーが無かったりで

真夏ともなると機械の熱も加わってモワッとしていた。

その中、その月の家賃や生活費を借り入れるために、キャッシングするのだった。

月給から借金の支払い分がごっそり引き落とされるので

青ざめて、カード会社のATMに駆け込むのが毎月の恒例行事になっていた。

不安から高まる緊張感。

ATM機にカードを挿入し、操作する。

ほどなくして、1万円札が吐き出されてくる。

1秒ほどだが、大変な安堵感を覚える。

ATMを出ると、何も感じないように暮らしていく。

またの月末にまたの危機感を覚えるまで・・・



借金①


ふと借金をしていたことを思い出した。
辛い10年だった。


きっかけは、知人が某デパートに勤めていて
おつきあいで、カードを一枚作ったこと。
使うつもりは、まったく無かった。