聞きかじり読みかじり 日本の A A オリジン
ちなみに、自助グループは昨今では相互援助グループという表現に変わりつつあるが
このブログでは、まだ広く知られている表現として
自助グループを使わせてもらう。
アメリカで A Aが誕生したのは、1935年。
では、日本では?
現在、日本の A Aの発足は
1975年蒲田グループでのステップミーティングとされている。
それまでにも A Aプログラムを日本で広めようという動きはあったようだ。
ある病院では「12の階梯(かいてい)」として、患者さんたちの治療に用いたりしたようだ。
また、12のステップを日本人向けにアレンジした自助グループが誕生した。
「断酒会」という組織だ。むしろ現在でも、 A Aより断酒会のほうが有名だろう。
映画やドラマの翻訳で はA Aのことを、断酒会と訳してあることも多いが
「 A A」と「断酒会」はまったく別の共同体である。
プログラム上ではかかわることがないが
A Aメンバーと断酒会メンバーでソフトボールの試合をして交流したという話は聞いたことがある。
日本に A Aが広がっていくきっかけ…。
ある外国人神父がアルコール依存症のために警備員に抱えられながら
アメリカに返された。
その神父はアメリカで回復のプログラムにつながり、飲まなくなる。
日本になど二度と行きたくなかったそうだ。
だが、厳しい提案を受ける。
再び、日本に行くこと。
そしてそこで、同じアルコール依存症の日本人神父と出会い
お二人は、行動を開始する。
行動の始まりは1974年11月29日。
実は、ここが私の好きなところだ。
当時、断酒学校というものがあったようで、そこに行こうという呼びかけに対して
「わたしは、酒が切れて三日目だった。禁断症状で手が震え、冷や汗を流していた。今朝大阪から出てきたばかりで、すでに三時間も彼と話し合ったのだから、今日はもう十分だ、それより早く横になって休みたい、と思っていた。」
(アルコホーリクス・アノニマス 「ピーター神父の物語」p454)
やる気に満ちていたようには思えないが、
しぶしぶと歩き出したその先に、今日の私たちの回復がある。
なお、お二人はたまたま神父という立場だったが
A Aメンバーになるために、宗教は必要ない。
神様なんか嫌い、と言っている仲間もいるし、言うことも自由。
お坊さんもメンバーだったりする。
お酒をやめたい、と願っているなら誰でもメンバーになれる。
日本の A A草創期のメンバーたちの体験談は
アルコホーリクスアノニマス ハードカバー版(¥3,150)に掲載されている。
ソフトカバー版は、リーズナブルなお値段だが(大型B5版¥2,000B6版¥1,890文庫版¥840)
メンバーたちの体験談は掲載されていなくて残念。
でも、1935年以来変わらない12のステップはここに記されている。
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