借金④
借金のことは誰にも話さなかった。
恥ずかしいから。
早くこっそり返済して、
「無かったことにしたい」と考えていた。
どうしても足りなくなった時
「生活費を電車でスられてしまった」と嘘をついて人から借りた。
街中に、市役所などが借金の相談会を開いているというチラシが貼ってあったりする。
私は、見なかったことにする。
それを見ると恐ろしくなるから。
借金をしていることを思い出して、恐ろしくなるから。
たとえると、まるでケガをして血がダラダラ流れているのに
病院の看板を見ると、ケガをしていることを思い知ってしまうので、看板も見ない
病院にも行かない、みたいな心理状態。
放っておけば、ケガをしたところは膿んで腐ってしまうのに。
何かを
麻痺させているから、普通に暮らしているように振る舞える。
実はこのことが、借金問題の恐ろしさかもしれない。
同じような月末が毎月やってくる。
しかし、なぜか借金は減っていかない。
そんな毎日を10年近く続けていると、とてもマトモな精神状態ではいられなくなる。
お金を巡って、悲しいニュースがよく流れる。
私には、どうしてそういうことになるのか、すごくよくわかる気がしていた。
画像の公益財団法人日本クレジットカウンセリング協会は、おそらく、市役所に相談に行くと紹介されている団体です。他に法テラスという名前も聞くけれど、私が任意整理をお願いしたのは日本クレジットカウンセリング協会なので、知人や友人には、直接こちらを紹介させてもらっている。
ローン、融資、借金・・・社会人ならばなんらかこの手段は使っているかもしれないけれど、給料の大半を返済に充て、家賃や生活費のためにまた借金をしているとすれば、それはすでに私個人の手に負えなくなっているということ。